個人事業主なら生きているうちに経験するかしないかの税務調査。今回は運悪く?税務調査に入られた体験談を備忘録としてブログに残しておきたいと思います。どんなことを聞かれるのか、何を準備しておいた方が良いのか、これから税務調査に入られるという個人事業主の方に参考になればと思います。
ある日突然税務署からの連絡
7月中旬、ある日突然、最寄りの税務署から連絡がありました。
「売上のことについてお伺いしたいのですが、事務所に伺うことはできますか?」と。
なんのことかわからず、どのような要件か聞くと、「税務調査」とのこと。やましいことは特にありませんが、「税務調査」と聞くとなんとなくドキっとしたのが正直な気持ちです。と同時に、売上規模の少ない個人事業主の自分に、なぜ「税務調査」が来るのか?と不思議に思いました。
「売上と消費税のことについてお伺いしたいので、2018〜2021年の売上資料と通帳を用意しておいてください」とのことでした。あと、「消費税」のことについてお聞きしたい、とのことでした。
税務調査は突然来る?
映画やドラマの中では、マルサの女のように突然税務調査が来るようなシーンを見かけることがありますが、突然の訪問ではなく、今週・来週・再来週に都合の良い曜日を聞かれました。
仕事の都合でバタバタしていたので、電話のあった日の再来週にしてもらいました。また、こちらから「午前中に終わりますか?」と聞くと、何もなく問題がなければ午前中に終わるとのことでした。
シーズンが入れ替わる時期ということもあり、少しバタバタしているので、これがいきなり来るとか言われると正直厳しい感じでしたが、日にちが選べるのは助かりました。ただ、先延ばししているようで、「税務調査」までなんとなく憂鬱な日々が続きました。
税理士の立会いは必要?
電話のあった日から、税務調査までに税理士さんをお願いするかどうかなど、すごく悩みました。やましいことはないけれど、ひょっとして申告ミスがあるのではないか?仮にミスがあれば、それを指摘されるのではないか、など。
今は顧問税理士さんはいませんが、以前は、税理士さんとの顧問契約していました。ただ、今は売上が減ってからは経費を削減するために、今は マネーフォワード クラウド確定申告を使って自分で確定申告をしています。
税務調査の連絡があり、いろいろな記事を見てはいるけれど、なかなか個人事業主の税務調査の体験ブログは見つけられず、心配は募るばかりでした。結局、心配しすぎても仕方ないので、取引先の知り合いの税理士さんにお願いすることになりました。事前打ち合わせで書類を確認していただき、特に問題ないということで、少しホッとしました。
今回は取引先から紹介していただいた知り合いの税理士さんにお願いすることができましたが、不安な方は、
など、税理士さんを探すサイトもあるので、利用すると見積もりを取ることができるので良いかと思います。税理士の立会いはだいたい、1日5万円というところが多いようですが、場合によっては、これより安く立ち会ってくれる税理さんも見つかるかもしれません。
個人事業主が税務調査に入る特徴とは
税理士さんに聞く所によると、個人事業主でも税務調査に入ることがある可能性があるのは以下のような所のようです。
- 売上1000万円前後
- IT業界
- 飲食業など現金商売
- 風俗業
- 取引先が税務調査に入った
自分が関係する所によると、「売上1000万円が1年だけあった」「IT業界」だった、その2点くらいです。個人事業主に税務調査が入る確率はなんと1%と言われています。なんと、その1%に自分が当てはまっただと思うと、すごくレアな体験をしたのか、運が悪かったのか・・・という感じです。
心配事の95%は起きないとかよく聞きますが、自分の場合、心配事は大概起きるんですよね。
昔、病気をして手術後の再発率は1%未満と言われたことがあったのですが、見事その1%未満で再発したこともあり、その後からは、何%とは全く信用していませんでした。なので、税務調査もいつか自分に来るんじゃないかとも思っていました。
税務署員に聞かれたこと
10時から税務調査ということで、ちょうど10時に来られました。予定では10時〜16時くらいまでということでしたが、早く終われば早く終わるとのこと。
税理さんによると、ベテラン調査員と新人調査員が来るとのことで、その通りでした。早速、以下についてベテラン調査員から話が始まりました。合間に新人調査員が質問をするくらいです。
- 事業の開始時期
- 前職について
- 事業を始めた経緯
- 取引先の会社名
- どのように営業しているか
- 締め日と入金日
- 年度をまたいだ売掛金の処理
- 家族構成
- 生活費がどのくらいか
- 水道光熱費の按分
この辺りは、事実をそのまま伝えるくらいで、伝えたことをノートに書かれていました。30分くらい、このような聞き取りがあった後に、実際に書類などの調査に入られました。
税務署員に調べられたこと
税務調査では実際どのような書類が調べられるか気になっている方も多いのではないでしょうか。自分も気になっていました。とりあえず、印刷しておかないといけない書類については全て保管していたので、そのままお渡ししました。その中で調べられたのが、
- 総勘定元帳のチェック
- 請求書・売上関係資料のチェック
- 事業用の通帳チェック
- 生活用の通帳チェック
以上でした。
総勘定元帳をベースに、請求書や売上関係の資料をベテラン調査員がチェックされていました。その間に、新人調査員が通帳のチェックをされていました。
領収書やレシートなどは一切チェックされませんでした。総勘定元帳を見て、おそらく何も気になる点がなかったので、領収書やレシートはチェックされなかったのではないでしょうか。
しかし、びっくりしたのが、ベテラン税務調査員が持参してきていた書類を遠目で見て見ると、何と自分の通帳履歴が印刷されているものでした!個人情報なんてもうあったもんじゃないですね。しかも個人用の通帳番号もメモっていました。なので、個人用の通帳の履歴もおそらく持ち帰って調べるのでしょう・・・。
なのに、通帳をチェックしているのは何の意味があるんでしょうか。自分の場合は、通帳を見て、あまりにも生活費が少なすぎるようで疑問に思われていたようです。ただ、ミニマリストで節約家なだけなんですが、お金を使わなさすぎても、疑問に思われるようですね。
税務調査はどれくらい時間がかかる?
結果的に言うと、僕の場合は、午前中の2時間で終わりました。綺麗に書類関係を保管していたのも早く終わるポイントだったのではないでしょうか。綺麗に整理されているとのことでした。書類持ち帰りなしはなしで、以下のような作業を始め、署内で確認して、後日連絡をするということでした。
- 総勘定元帳の撮影(売上・外注費・接待交際費など)
- Google Adsense「不課税」の資料撮影
税理さんによると、特に何も問題ないでしょう、とのことで、始まって1時間くらいで午前中で終わると思っていたそうです。税理士さんの予測通りに午前中で終わりました。
税務署員さんも仕事をした成果?を持ち帰らないといけないので、写真くらい撮って帰るんでしょう、とのことですが、実際には、税務署からは、是認か修正申告があるかどうか、後日連絡が来るそうです。
連絡は税理士さんの方に連絡するとのことでした。
Google Adsenseは「不課税」?
結局、今回の一番の税務調査の目的は「1000万円以上で課税事業者で消費税を払わなければいけない」という点でしたが、僕の場合は、売上の3割くらいがGoogle Adsenceで「不課税」売上なので、消費税を払う必要性がなかったのですが、確定申告だけでは、それがわからないので、税務調査に来たと思われます。
税務署員の中でも、Google AdsenseやYoutubeなどの売上が課税か不課税なのか、未だにはっきりとわかっていないような感じがしました。
税理士さん曰く、税務調査に来られたくなかったら、確定申告の特記事項に詳しく記載すると良いそうです。売上が急に上がった年、売上が急に下がった年、不課税売上の割合など詳しく書いておくことで、少しでも税務調査に来る確率が下がるそうです。
税務調査の結果
7月中旬に税務署からの連絡が来て、8月の初めに税務調査が実施され、お盆休みを挟んだこともあってか約1ヶ月が過ぎ、ようやく税務署から税理士さんに連絡がありました。
結果は、「是認」でした。特に追徴税がかかることもなく、何もしなくて良いという結果でした。
税理士さんによると、税務署からは、きちんと帳簿もつけられていたという報告を受けたようで、今後もこのまま確定申告してください。ということでした。
なんとなくモヤモヤした1ヶ月間もようやくこれでスッキリとしました。立会いは税理士さんを利用しましたが、普段は マネーフォワード クラウド確定申告を使って、真面目に確定申告をしていれば、税務調査が来ても何も怖くないということが今回の件でわかりました。
ただ、安心材料として、今回は税理士さんを利用して良かったと思っています。節税についての色々な有益な情報も教えていただくことができました。
このブログを読んでいる方の中には、税理士さんを利用しておらず、税務調査の連絡が税務署から来たという方も多いかと思いますが、不安な方は、上記のような税理士を紹介してくれるサイトもあるので、利用してみるのも良いのではないでしょうか。